女性の胸の病気と聞くと「乳がん」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、その乳がんと間違えやすい病気の1つに「乳管内乳頭腫」が挙げられます。
あまり聞き慣れない乳管内乳頭腫とは一体どのような病気なのか、症状や原因などとあわせて詳しくお伝えします。
乳管内乳頭腫とは
「乳管内乳頭腫(にゅうかんないにゅうとうしゅ)」とは、乳房の乳管内にできる良性の腫瘍です。
乳管の細胞がいぼのように増殖し、しこりの原因になることもあります。
30~50代の女性に多い症状で、女性の2~3%が発症する病気だといわれています。
乳管内乳頭腫の症状
乳管内乳頭腫の主な症状は、乳頭分泌です。
乳頭から黄色や透明の分泌液が出て、時には血が混じって赤褐色になることもあります。
乳頭分泌以外では、しこりや圧迫感、痛みを感じることもあります。
しかし自覚症状がない人がほとんどで、乳がん検診の際に見つかることが多いです。
乳管内乳頭腫の原因
乳管内乳頭腫の原因は明らかになっていません。
ただ、女性特有のホルモンバランスが影響しているともいわれています。
ホルモンの影響を受けていますから、左右両方の乳房に症状が現れるケースが多いです。
乳管内乳頭腫と乳がんの関係性
乳管内乳頭腫は良性ですから、乳がんとの関係性はありません。
しかし乳頭腫が複数できている場合は、乳がんリスクがわずかに高くなるともいわれています。
ただしほんのわずかなので、過度に心配する必要はないでしょう。
乳管内乳頭腫の治療方法
乳管内乳頭腫は良性の腫瘍なので、すぐに切除を必要とするものではありません。
ただし腫瘍の大きさが変化する可能性がありますから、数ヶ月に一度は検査を受けて、経過観察していくことが大切です。
なお、腫瘍が大きかったり、出血が多かったりする場合は、腫瘍を取り除く手術をおこないます。
麻酔を用いて乳管を切除した後は、痛みや乳頭分泌などの症状が収まります。
乳管内乳頭腫を予防する方法はある?
乳管内乳頭腫の原因は不明ですから、自ら予防することは難しいでしょう。
また、症状が出た後、セルフケアで改善することも困難です。
乳管内乳頭腫以外の病気の可能性もあり得ますから、自己判断せずに早急に専門医の診察を受けましょう。
しこりなどの違和感があると、「乳がんかも!?」と慌ててしまうことも珍しくありません。
しかし似たような病気はたくさんありますから、1人で慌てたり落ち込んだりせずに、専門医のもとで適切な診察を受けるようにしてください。