女性なら誰しもが気になる乳がんですが、乳がんにもさまざまな種類がありそれぞれに特徴や症状が異なります。
今回は乳がんの種類や特徴について紹介していきます。
乳がんの種類1;非浸潤(ひしんじゅん) 性乳がん
非浸潤性乳がんとは、がん細胞がまだ乳管の中に留まり外に出ていない初期段階の乳がん。
しこりがないため触れても分からないことがほとんどで、乳がん検診のマンモグラフィーや超音波検査・乳頭からの分泌物などで発見されることが多いです。
非浸潤性乳がんの状態で治療を始められれば転移などの可能性も低く、ほとんどの場合は100%完治することができます。
しかしこの状態を放っておくと、浸潤性の乳がんに発展してしまう可能性もあるため注意が必要です。
非浸潤性乳がんの状態で早期発見できるよう、定期的に乳がん検診を受けることが大切です。
乳がんの種類2;浸潤性乳がん
浸潤性乳がんとは、がん細胞が乳管から外へ出て広がっている状態の乳がん。
しこりを感じる乳がんの90%以上がこの浸潤性乳がんで、患者数も非常に多くなっています。
乳房から広がっていき、リンパ液や血液と共にがん細胞が流れて骨や内臓・脳などに転移する可能性もあります。
しこりや乳房の凹み・痛みなどが現れる人もいますが、症状が出ない方もいます。
浸潤性乳がんは一般的に「乳頭腺管がん」「充実腺管がん」「硬がん」に分けられ、稀に「粘液がん」と分類されるものもあります。
乳がんの種類3;乳房パジェット病
乳房パジェット病は、乳頭や乳輪の皮膚にただれが起こることにより発見されることの多いがんで、全体の1%程度の非常に稀な乳がんです。
しこりなどは確認できない場合が多く、乳首部分が赤くなり「びらん」と呼ばれる状態になります。
予後は良いとされていますが、皮膚の疾患と間違えられ発見が遅れてしまうこともあります。
気になる症状がある場合には、皮膚科だけでなく乳腺外科などの受診をすることも大切です。
乳がんの種類4;炎症性乳がん
乳房が広い範囲で腫れ赤くなり熱を持ったり、皮膚のむくみや毛穴が大きく目立つ(橙皮状皮膚;とうひじょうひふ)などの症状が出る「炎症性乳がん」も、乳がん全体の1%程度の非常に稀ながん。
しこりは確認できないことが多く、皮膚のザラザラ感や乳頭が凹むなどの症状が起こる場合もあります。
皮膚が炎症したように見えることから「炎症性乳がん」と呼ばれますが、乳房の赤みはがん細胞がリンパの流れを阻害することから起こるものなので、皮膚科だけでなく乳腺外科などを受診することが大切です。
転移を起こしやすく悪性度も高いため、早めに受診し治療を行う必要があります。
乳がんにもさまざまな種類があり、症状や特徴も異なります。
乳がんの種類や特徴を知ることは、自分の命を守るための判断を助けてくれる大切な指針にもなるもの。
もし体に気になる異変があった場合にはすぐに受診をするよう心がけ、乳がんから命を守っていきましょう。