乳首が内側に凹んでしまっている陥没乳首は、成人女性の約10%を占めるといわれています。
片方の乳首だけ凹んでいる場合もあれば、両方の乳首が凹んでいる場合もあり、その凹み具合もさまざま。
陥没乳首だと、乳腺炎になりやすかったり授乳しにくかったりとデメリットが多いので早い段階でケアしておきたいところ。
なぜ陥没乳首が起こるのか、その原因と対策をご紹介します。
陥没乳首の原因
なぜ乳首が飛び出ずに、奥側へと引き込まれるような状態になってしまうのでしょうか。
その原因としては、乳首を支える組織の発達不足やバストの内部における組織の癒着、乳腺と乳管の成長バランスがとれないことなどをあげることができます。
バストの大きさに対して乳管が足りないことで、乳首が内側に引き込まれて凹んだようになってしまうのです。
一般的に先天的なものといわれており、バストの成長によって目立ち始めるようになります。
陥没乳首の種類
陥没乳首は刺激を与えたときの状態によって、「仮性の陥没乳首」と「真性の陥没乳首」の2種類に分けることができます。
仮性の陥没乳首は刺激を与えることで、乳首が多少なりとも出てくる状態のものです。この場合は、機能面において気にする必要はないでしょう。
しかし、刺激しても全く乳首が出てこない真性の陥没乳首の場合は、乳首が不衛生な状態になりやすいので注意が必要です。
陥没乳首が原因で引き起こされる問題
陥没乳首だと見た目が悪いだけでなく、垢が溜まりやすいので慢性的な乳腺炎になりやすかったり、赤ちゃんが上手に乳首をくわえられないため授乳が難しく なるといったデメリットがあります。
乳腺炎予防としては、湯船に浸かりながら綿棒で洗うなどして凹みに垢が溜まらないようにしてください。
陥没乳首の治し方
陥没乳首の治し方には、大きく分けてマッサージと手術があります。
なかには、授乳しているうちに陥没乳頭が治ったという方もいらっしゃいますが、できれば授乳前に治して不安要素を取り除いておくと良いでしょう。
妊娠中の方は、まずは産科医や助産師にマッサージをして良いか確認をとってからおこなうようにしてください。
乳首を刺激するマッサージのため、子宮収縮を招く恐れがあるからです。
一般的には、20週あたりからマッサージをしても良いといわれています。
<陥没乳首のマッサージ方法>
1. 手を清潔にした状態で、親指と人指し指、中指を使って乳首を引っ張り出します。
反対の手はバストを支えるようにしてください。
引っ張り出すのが難しい場合は、乳首を吸引する器具を使って引っ張り出しましょう。
2. 引っ張り出した乳首を3~5秒ほど力を込めて圧迫します。
乳首が硬い場合は10秒ほどおこないましょう。
3. 人差し指と親指でこするように、乳首全体をマッサージしていきます。
トータルで2~3分かけておこなってください。
マッサージで治らない場合は陥没乳首の手術も
真性の陥没乳首の方は、マッサージだけで治らない場合があり、そういったときは陥没乳頭形成術という手術を受けることができます。
保険適応されない場合は数十万円かかりますが、これから授乳の可能性があると判断された場合は保険適応になるケースも多く6万円程度で済むと考えられます。
手術は短時間で、乳頭部分を切開し乳首が陥没しないように締め付けて縫合するというもの。
入院する必要もないので、仕事などが忙しい方でも受けることが可能です。
陥没乳首であることで、自信を持てない女性は多くいらっしゃいます。
これから先の人生を見据えて、陥没乳首にお悩みの方は一度医師に相談してみてはいかがでしょうか。