胸のしこりが早期発見の鍵となる「乳がん」ですが、胸にしこりができる病気は乳がん以外にも幾つかの可能性が考えられます。
今回は胸のしこりが起こる病気や、その原因について紹介していきます。
胸のしこりができる病気①:乳腺症
胸にしこりができる病気の最も代表的なケースが「乳腺症」です。
年齢的には40代前後でかかることが多く、月経の前にしこりが大きく硬くなるなど、質感やサイズ感に変化が起きるのが乳腺症の大きな特徴のひとつ。
胸のハリや痛みを感じることも多く、乳頭から分泌物が出る場合もあります。
乳がんと異なり、乳腺症自体は良性なのであまり心配する必要はありません。
ただ乳腺症とは別に、乳がんが進行しているようなケースもあるので、しこりを感じたら早めに受診するようにしましょう。
胸のしこりができる病気②:乳腺線維腺腫
「乳腺線維腺腫(にゅうせん せんいせんしゅ)」は、10代から20代など若い女性に多く、胸に平らで滑らかなしこりができる症状。
しこり自体に痛みや違和感はなく、年月と共に消えることも多いです。
触ってしこりの存在感が目立つほど大きすぎる場合は、手術で取り除くこともあります。
胸のしこりができる病気③:葉状腫瘍
乳腺線維腺腫とよく似ている「葉状腫瘍」は、急激に大きなしこりができるのが特徴です。
良性のことが多いですが、中には血液に乗って数年で転移する悪性葉状腫瘍であるケースも。
悪性の腫瘍の場合には、できるだけ早めに手術で取り除く必要があります。
胸のしこりができる病気④:乳がん
胸のしこりから予想される病気は、やはり「乳がん」が代表的と言えます。
女性のがんの中で最も罹患率が高い乳がんは、しこり自体が硬いのが特徴。
しこりに根が張っているような感触がすることも多いです。
乳がんは進行しなければ特に痛みなどが無い場合が多く、発見が遅れてがん細胞が増殖・転移してしまうこともあります。
しこりができる原因とは? 予防はできる?
胸のしこりは、良性であってもあまりできてほしいモノではないですよね。
胸にしこりができる最も大きな原因は、「女性ホルモン」であるエストロゲン(卵胞ホルモン)の過剰分泌だと考えられています。
そのため胸のしこりを予防するためには、エストロゲンの過剰分泌の原因となる高脂質・高タンパクの食生活を見直し、肥満を解消することが効果的です。
脂肪細胞はエストロゲンの増加を助けてしまうこともあるので、なるべく食生活や運動に気をつけ適正体重を維持するようにしましょう。
またストレスを溜めすぎないよう気をつけたり、睡眠をしっかり取るなどの生活習慣を見直すことも非常に大切なポイント。
規則正しい健康的な生活はホルモンバランスを整え、胸のしこりが出来るリスクを軽減させることができると考えられます。
もちろんどんなに気をつけて生活をしていても、遺伝や体質の関係でしこりができやすい方もいます。
必ず1ヶ月に1度は自分で胸のしこりの有無をチェックし、もし気になる所があれば自己判断をせず早めに婦人科を受診するようにしましょう。
胸のしこりがあると「乳がんかも…」と目の前が真っ暗になってしまう方もいるかもしれません。
しかし実際には他の病気である可能性も高いもの。
またもし乳がんであっても早い段階で発見できれば、完治できるケースも多いです。
なるべく定期的に検診に足を運ぶことが大切です。
定期的な検診と自分の体へのチェックを心がけて、大切な命を守っていきましょう。