胸の大きさに悩んでいる女性や、体型にコンプレックスを持っている女性は、決して少なくありません。
バストアップのためにマッサージをしたり、サプリメントをしたりしても効果がなかったという人もいるでしょう。
実は、バストの大きさには先天的な要素や生活習慣が深く関係しています。
そこで、胸の大きさに悩んでいる人や、バストアップに挑戦したもののうまくいかなかったという人のために、胸が大きくなるしくみや効果的なバストアップの方法について紹介します。
胸の大きさは遺伝で決まるって本当?
胸の大きさは生活習慣や生活環境のほか、遺伝的な要素も関係しています。
バストの成長が始まるのは、初経を迎える約1年前からです。最初は乳頭周辺から膨らみ始め、初経が始まる前後になると、膨らみが横へ広がっていきます。
初経から1年以上経った頃から徐々に立体的に膨んでいき、丸みのある形に落ち着くのです。
この時期によく眠り、バランスの良い食事をとり、ストレスを溜めない規則正しい生活を送っている人ほど、バストも大きく成長する傾向があります。
思春期を迎えるとバストが膨らみ始めるのは、女性ホルモンが乳腺に働きかけるためです。
女性は7~9歳頃から、ゴナドトロピンという生殖腺刺激ホルモンが分泌されるようになります。
ゴナドトロピンは卵巣を刺激し、女性ホルモンの生成を促す作用を持つ物質です。
女性ホルモンが放出されると乳腺が大きくなり、それに伴って乳腺を守る役目を持つ皮下脂肪も増えていきます。
そのため、バストの成長期には、女性ホルモンや成長ホルモンの分泌を促す食材や、血や肉を作る材料となる栄養素を積極的に摂らなければいけません。
しかし、成長期に十分な栄養をとっていたにも関わらず、バストが大きくならない場合、遺伝的素因が大きいと考えられます。
母親のバストが大きいのに、子どものバストが小さい場合は、父方の遺伝的素因が影響している可能性が高くなります。
成長期にはバストが大きくなるだけではなく、体全体が丸みを帯びたり、月経が始まったりなど、さまざまな変化が起こります。
体が健全に発達していくかは、食事や運動などの生活習慣のほか、女性ホルモンの分泌量も関係するのです。
成長期に過度なダイエットをしたり、偏った食生活を送っていたりすると、体が成長するために必要な栄養を十分にとることができません。
すると、女性ホルモンの分泌量が減り、バストの成長が悪くなったり、無月経になったりする場合もあります。
胸の大きさは乳腺と皮下脂肪で決まる!
女性のバストは乳腺や大胸筋、クーパー靭帯など、さまざまな組織から成り立っています。
その中でも、バストの大きさを左右するのは、乳腺と皮下脂肪です。乳腺とは乳頭から放射状に広がる組織で、母乳を作って乳頭部まで運ぶ役割があります。
皮下脂肪は、乳腺を保護するためのクッションのようなものです。ただし、乳腺が多くても、胸が大きくなるとは限りません。
乳腺の割合が多くても、痩せている人は皮下脂肪が少ない分、バストが小さくなる傾向があります。
一方、太っている人は皮下脂肪の割合が多くなります。なお、脂肪が増えても乳腺が増えるわけではありません。
乳腺組織は胎児の頃から既に作られ始めています。女性ホルモンの分泌量が増える10~12歳頃から乳腺組織が成熟し、バストも膨らんでいくのです。
乳腺が発達する過程で痛みをともなったり、しこりができたりすることもありますが、ほとんどは成長過程で自然に消えていきます。
若い頃は乳腺が発達しているため、バストにもしこりが残っていることが多く、触り心地は固いです。
しかし、閉経とともに女性ホルモンの分泌量が減ると、乳腺組織は脂肪組織へ変化します。
すると、乳腺よりも脂肪の割合が多くなり、バストの感触が柔らかくなるのです。
また、授乳や加齢によって乳腺の量が減ることもあります。こうして、バストからハリやボリュームが失われてしぼんでいく現象を、医学的に「萎縮」と呼ぶのです。
胸を大きくするホルモンとは?
バストの成長期は初経を迎える前後約4年間とされていますが、成長期を過ぎたら全く大きくならないというわけではありません。
バストの成長に影響する女性ホルモンは、思春期から25歳前後にかけて最も盛んに分泌されます。
つまり、この時期にバストが成長するよう働きかければ、成長期を過ぎても大きくなる可能性が高いということです。
バランスの良い食事をとる、十分な睡眠時間を確保するなど、基本的な生活習慣を見直すだけでも、女性ホルモンの分泌を促すことができます。
女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンという2種類のホルモンが存在し、どちらも月経や妊娠に深く関係しています。
エストロゲンは主に排卵前から排卵が終わるまでの期間に多く分泌されるホルモンです。子宮内膜を厚くするほか、自律神経を整えたり、女性らしい体を作ったりするなどの働きがあります。
一方、プロゲステロンは月経が始まる2週間ほど前から月経の直前にかけて多く分泌されるホルモンです。
プロゲステロンは子宮内膜を柔らかくして妊娠に備えるほか、血糖値を下げたりむくみやすくしたりする働きを持つホルモンです。
妊娠が起これば、子宮内膜を維持するためにプロゲステロンは分泌され続けます。しかし、妊娠が起こらなかった場合は、プロゲステロンの分泌量が急激に減少し、子宮内膜が剥がれ落ちて月経が始まるのです。
健康な状態であれば、エストロゲンとプロゲステロンは増減を繰り返しながらバランスよく分泌されます。
しかし、生活習慣の乱れや過度なダイエット、ストレスなどにより女性ホルモンの分泌量が減ったり、分泌が止まったりすることがあるのです。
女性ホルモンが十分に分泌されず、ホルモンバランスが崩れると、バストの成長が妨げられてしまいます。
なお、25歳を過ぎても、バストは女性ホルモンからの影響を受け続けていることに変わりはありません。
思春期から25歳前後のように、大きく成長することはないものの、女性ホルモンの作用により乳腺が増える可能性は十分にあります。
乳腺が増えれば、それを守るための脂肪がつき、若干バストのサイズが変化します。
胸を大きくする食べ物とは?
胸の大きさは遺伝的要素も影響しますが、遺伝する確率は30~40%といわれています。
残りの60~70%の要素は、生活習慣が大きく影響しているのです。
バストの成長期はもちろん、成長期を過ぎたあとでも、生活習慣を改善することにより、バストの成長を促すことができます。
まずは、胸へ栄養を届けるために、バランスの良い食事を心がけましょう。
バストアップを目指している人に適しているのが、豆乳や納豆、味噌、豆腐などの大豆製品です。大豆には大豆イソフラボンという、エストロゲンに似た作用を持つ成分が含まれています。
また、キャベツやリンゴ、ナッツ類などに含まれるボロンも、女性ホルモンの分泌を促す成分として有名です。
皮膚や細胞を作るタンパク質も、バストアップには欠かせません。タンパク質はチーズやヨーグルトなどの乳製品や卵、鶏肉などに豊富に含まれています。
鶏肉や鶏皮にはコラーゲンも含まれているので、美容効果も期待できるでしょう。バストの大部分は皮下脂肪でできているため、胸を大きくするには脂質をとる必要があります。
ただし、太らないためには良質な脂質をとらなければいけません。
オリーブオイルやアボカドには、オレイン酸やリノール酸、パルミトレイン酸などの不飽和脂肪酸が豊富に含まれており、中性脂肪を減らす作用が期待できます。
さらに、ビタミンEなどの栄養素が血行を促し、ハリのあるバストへと導いてくれるでしょう。
胸筋を鍛えてバストアップ!
胸を大きくするには、バストの皮下脂肪を増やすだけではなく、大胸筋を鍛えることも重要です。
大胸筋はバストの土台をとなる筋肉で、鍛えることで垂れにくくハリのある胸をキープできます。
また、大胸筋のエクササイズは、バストの血行促進にも効果的です。
ただし、エクササイズの効果を実感するには、根気よく毎日続けなければいけません。
そこで、手軽にできるエクササイズの方法を紹介します。
最初に、胸の前で両手を合わせた状態で、胸に力を込めます。
そのまま背筋を伸ばし、顔の前まで両手を上げた状態で5秒間キープしましょう。
次に、おへそまで両手を下げ、その状態で5秒間キープします。コツは自分の呼吸に合わせて、ゆっくりと手を動かすことです。
エクササイズの最中は、深く呼吸をして筋肉まで酸素を届ける必要があります。動きに集中するあまり、息を止めないよう注意しましょう。
マッサージで血行促進!
栄養バランスの見直しや大胸筋のエクササイズと並行してバストマッサージを行うと、さらに効果的です。マッサージをすることで女性ホルモンの分泌を促し、乳腺を発達させる作用が期待できます。
ただし、早くバストアップしたいからといって、気を張りながらマッサージをしては意味がありません。
女性ホルモンを活性化させるには、リラックスしてマッサージを行うことが重要です。
また、大胸筋エクササイズと同じく、マッサージも即効性のある方法ではありません。
毎日続けることで、初めて効果を実感できるのです。ここでは血液とリンパの流れを改善し、女性ホルモンの分泌を促すためのマッサージ方法を紹介します。
まず、人差し指から小指までの4本の指で、脇の下を押し上げるようにして揉みましょう。
ある程度揉みほぐしたら、二の腕を親指と人差し指で挟み、肘から脇の下まで滑らせてリンパを流します。
ここまでを1セットとして、10セットほど繰り返しましょう。なお、リンパ管は非常にデリケートです。
力を込めすぎると破れてしまうおそれがあります。あまり強くマッサージしないよう気をつけましょう。
確実を求めるなら豊胸も視野に入れて
バストアップを目指すなら、女性ホルモンの分泌を促し、乳腺を発達させることが大切です。
しかし、遺伝や体質、年齢などの要素が影響し、バストアップの効果を実感できない場合もあります。
万が一、生活習慣を改めたり、エクササイズやマッサージを実践したりしても効果がないという場合は、豊胸を視野に入れるのも1つの方法です。
豊胸手術にはさまざまな方法がありますが、医学の進歩により安全性が高く、仕上がりが自然な豊胸術も提供されています。
胸の大きさが気になっている人は1人で悩まず、専門家に相談してみましょう。